iPhone3.0では、100以上の機能が追加され、新しい純正アプリの追加と既存のアプリの機能強化が行われることが明らかになった。無料の純正アプリの追加と機能向上は、ユーザーにとってはありがたいことだ。一方、既存のアプリの中には今後の戦略転換を迫られるものもある。
現在App Storeには50以上の録音アプリがあるが、これらは新しく追加されるボイスメモと直接競合する。しかもAppleからリリースされるボイスメモは、メールやMMSでのシェア機能も提供される。また、メールやノートアプリで横キーボードのサポートをメイン機能としているアプリは、3.0で横キーボード入力が標準サポートされればその魅力を失う。しかも、純正のノートはコピー&ペーストに加えてiTunesとの同期が可能になる。さらに、連絡先はメールやMMSで同期できるようになるので、連絡先同期のアプリも厳しい。これらのアプリは、純正のアプリ以上の機能を充実させていくか、大きく方向転換をしなければならない。
Appleは純正の機能と重複するアプリのリリースは制限してきたが、3.0のリリース時には新しくリリースされる純正アプリと重複するサードベンダーアプリがすでに存在している。これらがApple Storeから排除されることはないと思われるが、そうすると、今後は純正アプリとサードベンダーアプリが競合していかなければならなくなる。
サードベンダーアプリの販売がAppleの収益にも直接的に響いてくることを考えると、無料で純正アプリを提供するというAppleの方針は大変興味深い。単純に考えると、例えば、ボイスメモの投入によって、既存の録音アプリが売れなくなると、サードベンダーの録音アプリがAppleに支払う、(販売価格)x(販売数)x(15%)が限りなくゼロに近づくことになる。仮に、サードベンダーががんばって純正のアプリよりも費用対効果の高いアプリを投入して成功すれば純正のアプリが無駄な投資になってしまう。さらに、もし、サードベンダーがアプリの継続をあきらめるというようなことになると、すでにアプリを購入しているユーザーは置き去りにされることになる。決して高価なものではないし、純正のアプリで置き換えればいいのかも知れないが、「有料のアプリを購入してもいつなくなるかわからない」と思うと購買意欲は薄れる。
サードベンダーアプリが50以上もひしめき合っている中で、なぜボイスメモを純正にしたかったのかは非常に興味深い。電話の会話録音とか、MMSとか、音声関係の機能を今後充実していくためのステップなのだろうか。
いづれにしても、今後のサードベンダーアプリと純正アプリの競合もしくは協業は非常に興味深いものになりそうだ。


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